まっちゃんの映画感想ブログ

”まっちゃん”こと20歳♂が、観た映画の感想を自由気ままに書き連ねる場所。

『望み』ネタバレ感想 〜ラストに明かされる衝撃の事実に号泣必至〜

Image©︎2020「望み」製作委員会

 

現在放送中の連続テレビ小説「おかえりモネ」の影響で、清原果耶さんの出演作を片っ端から観ているまっちゃんです!笑

今回紹介するのは『望み』。予告編を観た段階から、僕的にタイムリーな俳優さんばかりが出演されてたので、期待値爆上がりの作品でした!

 

※この記事は軽いネタバレを含みます。未見の方はご注意ください

 

実力派俳優たちの演技力を引き出す演出

映画やドラマでは多用されやすい、いわゆる心の声的な描写がこの作品では一切使われていないのです。

例えば、父・石川一登(堤真一)がマイホームを眺めて思い耽るカット。息子・規士(岡田健史)の行方が分かる前と後で2回描かれているのですが、それぞれ10秒近くに渡って何も喋らない一登の表情だけが映し出されていました。息子が加害者ではないと信じたい気持ちと、もし加害者になっていたらと焦る気持ち。相反する思いが交錯する様子、さらにはこの事件によって、自分たち家族はこれからどうなってしまうのだろうと思い詰める様子が感じ取れます。

母・貴代美(石田ゆり子)と娘・雅(清原果耶)にも同じようなカットが登場することから、父、母、娘が抱くそれぞれの”望み”。場面ごとの繊細な心境の変化をより忠実に再現出来ていると思いました。

また心の声的な描写を使わないことで、登場人物の内に秘めてる感情は観客側に委ねられ、感情移入を増幅させる効果を生み出しているように感じました。この演出を可能にしてるのは実力派俳優さんたちの演技力であって、それを見事に引き出してしまう堤 幸彦監督の素晴らしさなのだと思います。

 

観客に寄り添った丁寧な描き方

この作品では、細かく日付を刻む描写が入っていました。終盤の事件後の場面を含めずに考えると、12月下旬〜1月上旬に渡る数週間の出来事を描いています。数ある映画作品の中でも、このスケールでここまで丁寧に描いている作品はそう多くないのではないかと思います。(僕の薄っぺらい知識の範囲内での話ですが、、、汗。)

サスペンスものだからと言ってしまえばそうかもしれませんが、若者のいじめが近年深刻化してきている時代背景の中では、とても価値のある作品になっているなと感じました。

僕が思うにこの作品で一番伝えたかったことは、数週間という短い間に家族やその周りの人々の人生がここまで大きく変わってしまう恐ろしさ、決して他人事ではなく身近に潜んでいるものであるということだと思います。

 

シンプルな展開ならではの予想外な結末

伏線は基本的にはなし。もしあるとしたら、最初の家族写真をスライドショーで流す場面ですが、ここから読み解くのは少し深読みしすぎだと感じました。それよりもこれから起こる事件によって、この家族がどう変わっていくのかを印象付けるためと考えた方が妥当なのではないかと思いました。

内容からして、息子は”加害者or被害者”の2択と考えてほぼ間違いないと思いますし、どちらに転んでも割とシンプルな展開になっていると感じました。

ある程度観ていけば、大体予想のつく展開ではあったと思います。しかし、僕の場合は父、母、娘の”望み”がほぼ均等に描かれているのにも関わらず、母の「生きていてほしい、加害者であってほしい」という願いにいつの間にか感情移入させられ、結末を知ったときに予想を裏切られたと感じたのです。

これはまさしく決定的な伏線を張らずに、物語が進んでいる今この瞬間に解き明かされる事実を目の当たりにしていくことで、繊細に描かれていく3人それぞれの”望み”のどれかに感情移入を起こし、結果どれを選んだとしても予想外な結末と感じるのだと思います。

 

まとめ

清原果耶さん目当てで観た作品だったので言わせていただきますが、清原さんの18歳(公開当時)だとは思えない落ち着きのある演技に本当に圧倒されました!

特に石田ゆり子さんとの母と娘の言い争いのシーンは、本当に鳥肌ものでした!涙

主演級の俳優さんたちはもちろん、脇を固める竜 雷太さんなどの大御所俳優も出演されていて見応えたっぷりの作品でした!